ut.code(); 学習カリキュラム #3
今回からお待ちかねプログラミングの時間です!まずはターミナルで
curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/chelproc/utcode-lectures-setup/master/lamp-on-docker/init.sh | sh
を実行しましょう!今回の開発に必要なソフトウェア等が自動的にインストールされます(コマンド一発で複雑な処理をまとめて行うことができるのが良いところですね)。結構時間がかかるので気長に待ちましょう。
VSCodeでディレクトリを開く
今まではVSCodeのターミナルの部分だけを使ってきましたが、ここからはメインの機能を使っていきます。VSCodeは、単純なエディタとして一つのファイルを開いて編集することもできますが、それ以上に、あるディレクトリを作業ディレクトリとして決定し、その下のファイルを操作するという使い方をするときに、その真価を発揮します。

[File] → [Open Folder…]から、
/root/development
を開いてください。このディレクトリは、冒頭のコマンドによって自動的に生成されたディレクトリです。
最初のファイルを作成する

ディレクトリを開いたら、最初のファイルを作成しましょう。ブラウザが読み取ることのできるファイルはHTML形式です。「index.html」という名前でファイルを作成してみましょう。

編集が終わったらファイルを保存します。画面の「index.html」と書いてある部分の右側に白い丸が付いていますね。これはファイルが未保存である証です。保存を完了すれば消えてくれます。ファイルの保存にはショートカットキー[Cmd / Ctrl] + [S]が便利です。
はじめてのWebサイト
おめでとうございます!これであなたは最初のWebサイトを作成しました!それでは早速ブラウザからアクセスできるかどうか試してみましょう。

インターネットを通してWebサイトにアクセスするためには、サーバーの場所を知る必要がありますね!サーバーの住所に相当する番号がIPアドレスなのでした。IPアドレスを使用すれば、サーバーの場所を直接ブラウザに伝えることができます。
http://IPアドレス/index.html
にアクセスしてください。

思い通りに表示されましたか?
何が起きているのか考える
サービスを提供するコンピューターのことをサーバー、サービスにアクセスするコンピューターのことをクライアントと呼ぶのでした。同じように、サービスにアクセスするためのソフトウェア、そのアクセスを監視して適切に応答するためのソフトウェアも、それぞれクライアント、サーバーと呼びます。ウェブサイトを提供するためのサーバーは、Webサーバーです。
また、クライアントからサーバーへの要求をリクエスト、そのリクエストへのサーバーの応答をレスポンスと呼びます。
ウェブサーバーの挙動を理解するにあたり、まずはウェブサイトにアクセスするためのURLがどのような構成になっているのかを考えてみましょう。

「https://utcode.net:443/this/is/an/example」を、「①https」、「②utcode.net」、「③443」、「④/this/is/an/example」という4つの部分に分けます。各部分が何を意味しているのかを見ていきましょう。
②ドメイン
いきなり②からかよ、という感じですが、クライアントがサーバーにリクエストを送信する際、まず最初に使用されるのがドメインです。ドメインは、インターネット上でサーバーを区別するための識別名で、IPアドレスに変換されます(名前解決)。nslookupコマンドを使用することで、ドメインがどのIPアドレスに名前解決されるかを知ることができます。

③ポート番号
一台の(物理)サーバーで稼働している(ソフトウェア)サーバーが一種類とは限りません。どのソフトウェアの通信なのかを区別するため、外部からの接続を待ち受けするソフトウェアは、0 ~ 2^16 – 1 (65535)の整数で表されるポート番号を指定する必要があります。

サーバーの種類によって使われるポート番号は大体決まっています。Webサーバーの場合は、80番または443番が使用されるのが普通です。後述するプロトコルがhttpの場合は80番、httpsの場合は443番のとき、URLにおけるポート番号は省略可能になります。一般的なURLにポート番号が存在していないのはこのためです。
①プロトコル / ④パス
通信を行うための決まり事をプロトコルと呼びます。ウェブサイトを提供するためのプロトコルはHTTPまたはHTTPSです。プロトコルの内容についてはインターネットの標準化団体によって誰でも入手ができるようになっています。例えば、「http://example.com/this/is/an/example」にHTTPリクエストを送る際、内部的には以下のようなやり取りがサーバーとクライアントの間で交わされます。
クライアント → サーバー(HTTPリクエスト)
GET /this/is/an/example HTTP/1.1 Host: example.com
クライアント ← サーバー(HTTPレスポンス)
HTTP/1.1 200 OK Content-Type: text/html [ここにウェブサイトの内容が入る]
Webサーバーの動作
Webサーバーとして代表的なソフトウェアは、「Nginx」や「Apache」です。どちらもインターネット上のコミュニティーによって開発されており、ソースコードは無償で一般公開されています(オープンソース)。
Webサーバーは、クライアントからのリクエストを受け、URLの④パスに相当する部分を、あらかじめ設定されたドキュメントルートと言われるディレクトリからの相対パスとして解釈し、対象となるファイルの内容をクライアントに送信します。
例えば、ドキュメントルートが「/var/www/html」であるWebサーバーが、「http://example.com/path/to/file.html」へのリクエストを受けた場合、「/var/www/html/path/to/file.html」を読み込んで返します。
冒頭のコマンドは、ドキュメントルートを「/root/development」としてApacheを起動するためのコマンドとなっていました。ですので、「http://IPアドレス/index.html」にアクセスした際、「/root/development/index.html」の内容が表示されたわけです。
HTMLの基本構造
先ほどの「index.html」をもう一度見直してみましょう。実は、HTMLファイルはただ文章を書けばよいというものではなく、いくつかの約束事があります。index.htmlを正しいHTMLファイルにするため、以下の通りに書き換えてください。
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="utf-8">
<title>Document</title>
</head>
<body>
Hello World!
</body>
</html>
サーバー上のファイルを変更した場合は、ブラウザ上で更新ボタンをクリックします。

先ほどとは表示が変わっていないのにもかかわらず、コードの量が大きく増加してしまいました。どうしたものでしょうか。
HTMLファイルには、文書に意味を持たせるためにタグと呼ばれる構文を持つことができます。タグは、<tag>のような、「小なり」と「大なり」で囲まれた英数字のまとまりになります。<tag>内容</tag>のように、タグ名の先頭にスラッシュを付けるか否かにより、「開始タグ」と「終了タグ」を表現し、内部のテキスト等を挟み込むことができます。開始タグから終了タグまでのまとまり、もしくは終了タグを持たないタグの場合はそれ自身によって生み出される出力を、「HTML要素」といいます。
HTMLの開始タグの中に<tag type=”value”>のように「属性」を指定すると、より正確にHTML要素をコントロールできます。例えば、htmlタグにはlang属性を指定することができ、その文書が何の言語で記されたものであるかを示すことができます。
全てのHTMLファイルは、一行目の
<!DOCTYPE html>
という「このファイルはHTMLファイルだ!」と宣言する定型文ののち、htmlタグを頂点とした木構造となっており、htmlタグの直属の子としては、headタグとbodyタグがそれぞれ1つずつのみ存在しています。このうち、headタグは文書のメタ情報(文書自身関する情報)を格納し、上記の例であればtitleタグによって文書のタイトルを、metaタグのcharset属性において文字コードを指定しています。bodyタグの中には実際に画面に表示され得る情報を記述します。
HTML開発のお供に
htmlタグは数多く存在しています。初めのうちは使うたびにインターネットで調べればよいでしょう。何度も製品を作っているうちにいつの間にか身についているはずです。以下に調べものに役立つサイトを掲載しておきます。
- HTMLクイックリファレンス … http://www.htmq.com/html5/
- 昔ながらのデザインですが必要な情報が過不足なく掲載されています。単純に眺めるのも楽しいですね。
- HTML – MDN … https://developer.mozilla.org/ja/docs/Web/HTML
- 情報の信頼性に関しては、HTMLの仕様書の次に高いといっても過言ではありません。比較的難解ですが、ある程度技術力を蓄えた後には、メインで役立ってくれることでしょう。
演習問題
- 「サーバー」「リクエスト」「レスポンス」「ドメイン」「ポート番号」「プロトコル」とは何でしょうか。
- Webサーバーの動作について、「ドキュメントルート」という単語を用いて説明してください。
- https://utcode.net/にアクセスする際のポート番号は何でしょうか。
- utcode.netのドキュメントルートが「/home/utcode/public」であるとします。Webサーバーは、「https://utcode.net/images/secret.jpg」へのリクエストを受けた際、どのファイルを読み込もうとするでしょうか。絶対パスで答えてください。
課題
HTMLを用いて、以下のフォームを作成してください。なお、入力欄は表を用いて整列されています。また、下部の注意書きは箇条書きを表現するための要素が使用されています。
